鋼板加工ニュース
2024.11.18
2024.11.22
当社の理念の一つ「信用」について
今年の初め、ひとつの小冊子を社内で作りました。
「コーポレートスタンダードブック」と題した36ページ。
会社の大切にしたい価値観やビジョン、そして方針をまとめました。
根本になっているのは創業から大切にしている思い。
そして私が3代目として試行錯誤した25年間の経験を振り返り、
会社のコアになる考えを凝縮しました。
5信条の筆頭は「信用」
先日、「5信条」の筆頭である「信用」の項目を皆で読みました。
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信 用
これには3つの側面があります。
まず「対顧客」
私たちが扱う商品の品質が確かであってこそ、
お客様は信じて、頼って、用いてくださります。
そうしてこそ仕事がいただけ、その対価の中から利益が生まれ、
会社は存続を許されます。
つぎに「対仕入先」
私たちは鉄鋼という原材料を仕入れることが出来て初めて
製品を作ることが可能となります。
しかし信用がないとモノを売ってもらえません。
私たちは昭和・平成・令和と続く会社の長い歴史の中で、
数々の不況の波を経験しました。
鉄鋼業界でも大きな店から小さな店まで、
数々の企業の浮沈を目にしました。
信用があってこそモノを売っていただけます。
そして「対社会」
企業にとって血液である資金繰りも同様で、
信用がなければ金融機関は絶対にお金を貸しません。
さらに、これから入ってくる未来の社員たちも
会社を信用するからこそ応募し、入社を決断します。
ヒト・モノ・カネ、
いずれも信用のあるところにのみ集まります。
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ここまで読み進めたとき、
工場長の前君が挙手して意見をくれました。
「信用には3つの側面とありますが、
もう一つ『対仲間』があるのではないですか?」
対社外の前に、対社内
彼の話は、こう続きます。
「これまでいろんな社員と一緒に働きました。
会社の大切にしたい価値観をキチンと守り、
人が見ていなくても絶対にさぼらず、
自分を成長させ続ける社員もいれば、そうでない例もありました」
「対外的な信用も大事ですが、その前に対内的な信用が必要です。
仲間から信用されなければ何も始まりません]
メンバーどうしの信用の大切さ
この発言には一本も二本も取られました。
まさに彼の言う通りです。
これまでに数多くの社員と一緒に働きました。
勤続年数が長いのが当社の特徴で、
他社に比べると人の入れ替わりが少ない会社です。
それでも早期退社や残念な離職がいくつもありました。
それはほとんどの場合、
「対仲間」の信用が築けなかったとみることができます。
振り返ると、社長の私に人を見る目がなく、
採用基準もあいまいな時期が長くありました。
遅刻や無断欠勤といった悪しき態度、
不満足な働きぶりで仲間の信頼を損ねる例が相次ぎました。
果ては、社内の輪を乱したり
暴言を吐くなど常識外れの問題行動も現れました。
こうなると当人がどれだけ会社に残りたいと願っても、
残れるはずがありません。
まさに工場長が朝礼で発言したように
「仲間から信用されなければ何も始まらない」のです。
採用基準を磨く
こうした社員を退社させるという「前科」が
私にはいくつもあります。
私の採用ミス、育成力不足が招いた結果でした。
経営者になって25年になりますが、
いったん迎えた社員を辞めさせるという事態ほど
みじめなことはありません。
数々の反省から採用基準を磨きました。
「一緒に働きたい社員像」
「一緒に働きたくない社員像」
これらを社内で何度も議論しました。
面接は私だけでなく幹部を複数同席させ、
面接トレーニングも重ねました。
全社挙げての努力の結果、採用ミスは激減。
十年間に渡って離職ゼロの時代があったのも、
このような改革によるものでした。
会社を磨き、社会に貢献する
採用基準を磨く中で、理想の社員像を議論しました。
そこから生まれた人材育成ビジョンが、次の言葉です。
「徳と才を兼ね備えた仕事師の中の仕事師」
「仲間と顧客と社会に尽くせる人格者」
理念とは失敗の中から生まれる、そう思います。
今年になって完成したスタンダードブックですが、
早速のブラッシュアップが入りました。
会社の大切にしたい5信条の筆頭である「信用」は、
3つではなく4つの側面がある。
対顧客、対仕入先、対社会、そして対仲間です。
全員で成長する社風を磨き続け、お客様と社会に貢献します。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。