鋼板加工ニュース

2024.02.22

2024.02.22

鋼材市場

中国製造業の躍進を見て


当社のレーザー加工機はドイツ製です。

次のマシンの選定でも当然にドイツ製か日本製を考えていました。

そこへ割り込んで出たのが「中国製」でした。

数年前には考えもしなかった選択肢ですが、

工作機械の展示会でその存在を知り、無視できぬものを感じました。

昨年12月には中国メーカーを実際に訪問しました。

私にとってはコロナ期間をへて4年ぶりの訪中でした。

第3の存在・中国

空港に出迎えてくれたメーカーさんは

最新式テスラ(電気自動車)でかっ飛ばしてくれました。

「供給過多」とも評されるおびただしい数の高層マンションなどのビル群。

いまや世界第2位の経済大国となった姿を見せつけられました。

私は1991年(平成3年)から中国を知っていますが、

もはや当時とは別世界です。

日本は国内総生産(GDP)ではとっくに追い抜かれ、

4倍以上の差が開きました。

日本が得意とした家電で負け、

IT(情報技術)などの先端分野でも大差をつけられています。

その中国が私たちの本業にも足音を立てて近づいてきました。

中国メーカーの特色はハイパワー(高出力)、そして価格メリット。

正直なところ最初は半信半疑でした。

しかし実際の切断サンプルは立派。

世界でも販売数を伸ばし続けている。

説明を聞き続けるうちに「第3の選択肢」として

真剣に検討せざるを得なくなりました。

中国メーカー躍進の背景

中国レーザーが伸びた背景は、こうです。

中国は国内市場が巨大で、成長スピードも速かった。

そこでは高価格帯の日本製や欧州製よりも、中国メーカーが自然と選択される。

その結果、まず自国内で相当の実績を積んでいました。

海外の技術者が中国企業に移籍したことも成長を加速させました。

過去20-30年によく聞いた話です。

さらに2015年に習近平政権が唱えた中国の国家戦略である

「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」が背景です。

  1.  2025年までに製造強国への仲間入りを果たす
  2.  2035年までに製造強国の中位へ到達する
  3.  2049年(建国100周年)までに製造強国のリーダー的な地位を確立する

低賃金労働を背景とした従来の

「安かろう・悪かろう」イメージを払拭し、

ハイクオリティな製品を作る「製造強国」への脱皮を目指しています。

ITやEV(電気自動車)などとともに、

レーザー技術の分野も当然にその主戦場です。

国家のバックアップも相当に効いているでしょう。

中国レーザーの実力

さて肝心のレーザーはまさに「百聞は一見に如かず」でした。

3日間に渡っての見学。

実際に現地の工場を訪問し、テスト切断を何度も行ってもらいました。

その実力に嘘はありませんでした。

しかも日欧メーカーがまだ手を出していないハイパワー。

恐らくは安全性を理由にハイパワーに慎重になっている日欧を横目に、

中国は果敢に攻めたマシンを作ってきます。

正直なところ、快い驚きでした。

しかし、私たちが中国製品に抱く不安、

それが3日間ですべて拭えたわけではありませんでした。

これから日本製・ドイツ製・中国製、それらを真剣に検討する日々が続きます。

チャレンジする国・しない国

それにしても日本経済は過去30年、停滞し続けました。
それと対照的に伸びたのが中国でした。

戦後の高度成長期を経て豊かになった日本は、

知らず知らずのうちにチャレンジに及び腰になりました。

一方で、積極果敢に成長を選択し続けたのが中国。

彼らの貪欲さが、いまの日本人には欠けていたと思わざるを得ません。

工作機械の世界でも台頭し始めた中国。

その息吹の中に世界経済の大転換を感じています。

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