鋼板加工ニュース

2023.05.23

2023.05.25

事業展開

新工場を作ります


ことしの2月、とても素晴らしいご縁をいただきました。

当社の真裏にある土地の競売入札があり、私たちが落札。

新工場の用地が確保できました。

次の事業展開は、どこか?

近年、工場が手狭になり拡張を考えていました。

ところが当社のある九条地区はなかなか土地の出物がない。

都心に近く、地下鉄・JRも利用可能。

2009年に開通した阪神なんば線で更に便利になりました。

もともと坪単価100万円水準だった地価が大きく値上がりしました。

こんな地価の高いところで事業を続けてよいのだろうか?

とはいえ九条は今も昔も「鋼材業のメッカ」です。

さまざまな品種を扱う鋼材会社がそろい、加工業者も多い。

鋼材流通にとっても、お客様にとっても利便性が非常に高い。

働く社員から見ても通勤に便利です。

しかし地価は高騰し、物件もない。

しかたなく遠隔地での第2拠点を探していたところでした。

悩み抜いた入札価格

そこへ当社の真裏の土地の競売情報が飛び込んできました。

2年前に廃業した工場の跡地です。

競売に関わるのは初めての経験で、知らないことばかり。

相場はいくらか、誰が入札するか、どう値付けしたらいいのか?

多くの人に相談しました。

銀行3行、懇意の工務店、顧問の先生方、知人の経営者たち・・・。

入札価格については各人各様でした。

最も多い見解が1億円でした。土地82坪なので坪120万円相当です。

これが妥当かと思いました。

しかし決め手になったのは懇意のA社長の見解でした。

「もしマンションが来れば仕事がしづらい。高値で応じるほうが良い」

悩みに悩み、最終的に1億2400万円で入札しました。
(坪150万円×82坪+100万円)

結果、当社が第1順位で落札。第2順位はマンション業者(1億2012万円)。

まさに僅差。銀行さんは「結果的に非常に安い買い物」と評してくれました。

ご縁に感謝

それにしても多くの人の助言が効きました。

とりわけA社長の一言がストライクでした。

実はもう20年近く前の2004年のこと、

私たちは工場の真横の土地を購入しています(現・第3工場)。

その時はA社の先代(故A会長)にお世話になっています。

もとの地権者に熱心に掛け合ってくれ、

当社への売却に道筋をつけてくれています。

おかげで当社は工場を拡大できました。

そして今回は息子さん(現・社長)のアドバイスが効いたわけです。

当社の土地購入ではA社2代に渡ってお世話していただいた格好です。

御縁に深謝する次第です。

このエリアの将来展望

今回は幸運にも当社が落札しましたが、これで安心ではありません。

都心部の抱える「住工混在」という古くて新しい問題があります。

最初は1960年代(高度経済成長期)。

手狭になった工場が都心部から出ていく動きがありました。

大阪では東大阪などの衛星都市、または南港エリアへの移転が進みました。

次いでバブル期(1980年代後半)。

都心部の地価が暴騰して工場が移転したのが「第2波」と言われます。

そして今回の「第3波」は都心部への人口集中が理由のようです。

私は半世紀に渡って九条を見てきました。

工場地帯がまさにマンション地帯へ変貌しつつあります。

とくにバブル経済崩壊後、この30年間が顕著です。

廃業した工場跡は、お定まりのようにマンションが建ちました。

この環境下で操業していくこと、それが九条の鉄屋に与えられた課題です。

永続を目指して

今回の土地取得で短中期(5-10年)の計画は固まりました。

同時に中長期(5-20年)、超長期(30、50、100年)の展開を考え続けます。

当社の社是は「永続」です。

鋼材業のメッカ・九条を本拠地とすることに変わりはありません。

そして100年先を考えて第2拠点の模索も続けます。

経営とは変化に対応すること。

時代とともに変わりゆくものを意識し、その求めに応じ続けます。

そして顧客満足度・社員幸福度・社会貢献度を磨いていきます。

新工場を作り、お客様のご要望にさらにお応えしてまいります。

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