鋼板加工ニュース
2023.08.25
2023.08.28
確実・丁寧・スピーディ=当社のCADチームが心がけていること=
当社はお客様から「図面」をいただくことで仕事が始まります。
その入り口がCAD(コンピュータによる作図)。
※ CAD(キャド Computer Aided Design)
CADを使い始めて30年以上になりますが、本当に便利です。
かつては実際に定規とコンパスを使って作図していました。
たとえば「5000R」(半径5メートルの曲線)を描くとき、
実際に5メートルのタコ糸を使って先端に鉛筆をつけて円弧を描いていました。
ところがCADならテンキーで数字を打ち込むだけ。
こんな便利なCADですが、仕事の注意点がいくつもあります。
「伝説」の入力ミス
数字に細心の注意を払うこと。
作図は生産の入り口、正確で当たり前。
どんなに素晴らしい製品を作っても、
どんなに短納期で仕上げても、
数字の入力ミスがあっては、まったく無意味。
当社には「伝説」の入力ミスがあります。
もう30年以上も昔の話です。
極厚鋼板の大型製品を作りました。
ところが半径と直径を取り違えて、入力。
板厚も形も大きなものだっただけに、
価格は100万円を超えていました。
半径と直径の取り違え、まさに思い込みであり、チェック漏れ。
人間のやることには、ミスが入る余地がどうしてもあります。
仕事はある意味、ミスとの闘い。
ミス撲滅を目指して仕事に打ち込んでいます。
![](https://www.laser-gas-cut.com/wp-content/uploads/2023/08/CAD2.jpg)
見づらい数字との闘い
日本人はファクスが大好きです。
電子メールが発展してもなかなか需要は衰えません。
当社でも受注の半数以上が、いまもファクス経由です。
ファクスでよくある落とし穴が、不鮮明な数字です。
たとえば・・・
0と6
0と9
3と8
5と6
疑わしい数字はお客様に尋ねますが、
そもそも疑う余地なく「別の数字」になっている場合もあります。
ファクスを何度も重ねたものに、ありがちです。
ここの警戒心を高めることも、とても大事です。
デジタルデータが増えたけれども
近年、メール経由でデータ化した図面(DXF)をいただくことが増えました。
ファクスのように不鮮明な数字はありません。
作図時間の短縮と正確さの担保という点でも、便利です。
ここでも別の注意点があります。
データにはさまざまな加工情報が入っています。
そこから、当社の溶断(ガス・プラズマ・レーザー加工)に
必要な部分だけを抜き取ります。
3面図(立体)から、当社の加工範囲(平面)を作ることもしばしば。
当社の加工する範囲は、形状は、これで良いか?
その確認のやり取りが何度も続くことがあります。
形状の様子から注意すべきこと(歪みや変形)を伝えることも大事です。
ここをいい加減にすると、あとで泣くことになります。
だから、お客様との確認のやり取りこそが
当社CADチームの仕事の本領です。
![](https://www.laser-gas-cut.com/wp-content/uploads/2023/08/CAD3.jpg)
疑うのも、仕事
CADチームの仕事は、他の社員によるダブルチェックが基本です。
人間には思い込みがある。
冒頭に紹介した伝説のミスのように、半径と思い込めば半径です。
だからダブルチェック、ときにはトリプルチェックも行います。
「本当にこれで正しいか?」
疑うのも、仕事です。
当社では全社員がCADを一度は経験します。
そこで図面の読み方に慣れ、数字への注意力を高めます。
確実に、そして丁寧かつスピーディに。
そうして仕事の基礎力を養います。
仕事のよろこびを実感
さまざまな「難題」もいただきます。
古く錆びた金属の製品が持ち込まれることがあります。
何十年も昔の製品で、もはや図面はない。
それでも同じものを作りたい。
そんなお客様の要望です。
サビを落とし、採寸し、そして製造する。
実際に品物が出来て喜んでいただけたときの充実感、
それは格別です。
顧客アンケートで頂いた言葉が、嬉しいものでした。
「CADから丁寧に問い合わせをいただくので助かっています」
また、かつてこんな声をいただいたことも、忘れられません。
「CADに優秀な社員さんが入られましたね。
当方の図面から矛盾を見つけて、指摘してもらいました。
あれがなければ納期アウトでした。助かりました!」
こうしたユーザー様のお言葉は、宝物のように嬉しいものです。
これからもお客様に喜ばれるよう、日々の仕事に実直に取り組んでまいります。